もしかして痔かも・・・・?
そう思っても、誰かに相談することも恥ずかしい。肛門外科は女性にとってとても敷居が高いと思います。
当院では、そのような女性の方の不安に対応すべく2005年11月より女性外来をはじめました。男性と顔をあわせずに受診することが可能です。
ためらっている内に、痔がひどくなったり、実は痔以外の病気だったりする場合もあります。なるべく早めに専門の医師に診てもらうことが必要です。
女性の『痔』の原因として、先に挙げた妊娠・出産に加え、生理によるホルモンバランスの変化も影響します。
生理前にはプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が盛んになるので便秘になりやすくなり、便秘になれば便が硬くなりやすくなります。また逆に下痢になる方もいるようです。
いずれにせよ、生理前や生理中は排便が不規則になることが多いようです。その結果排便時に肛門の外壁を傷つけやすくなり、痔になりやすくなります。また、もともとある痔がひどくなる原因でもあります。
妊娠はお腹の中で赤ちゃんが育っていくにつれ、骨盤から肛門にかかる負担が大きくなります。骨盤内にある腸や血管を圧迫し便の排泄が滞りがちになります。また腹筋をうまく使えないので、便が出しきれずに直腸に残ってしまうこともあります。
また、子宮によって血管が圧迫されるので下半身がむくみやすくなります。これには痔も含まれ、気付かずにいた小さないぼ痔が腫れて大きくなってしまいます。
妊娠が原因で痔の中でも特にいぼ痔(内痔核)になることも珍しくなく、事実、妊娠・出産を経験した女性は痔になる可能性が高いといわれています。
出産時には、かなりいきむことになります。その際に、もともとあったイボ痔が飛び出したり、もともとあった切れ痔が切れてしまったりもします。
また産後は授乳による水分不足や、腸の動きが弱くなることによる便秘が起きやすくなります。
これも、痔の原因となってしまいます。
痔は、お尻に違和感があったり、気になった時が治療を開始するタイミングです。
ですが、次のお子様を考えるときやお子様がまだ小さく就学前で一緒に入院しても差しさわりがない時期などに、一度診察し相談されることをお勧めします。
また痔の違和感はなくても便秘のコントロールがうまくいかない時にもご相談下さい。あなたの生活に合わせて漢方や薬、食生活の指導を行っていきます。
妊娠中でも治療は可能です。その場合、妊娠の週数に応じて治療を行います。妊娠中は緊急に手術が必要な場合を除き、保存療法で治療を行います。
万が一妊娠中に手術が必要な場合は、出産予定の産科との連携が必要になってきます。
出産後のイボ痔は、基本的に薬の使用で軽快する場合が多くみられます。薬で軽快しない場合はさらに治療が必要となります。
手術を行う場合は、授乳に影響の少ない治療法を選択していきます。
当院では、小さなお子様とご一緒に入院できる部屋もございますので気になる方は医師にご相談ください。
女性外来では外来棟への男性の立入りをご遠慮いただいております。
付き添いの男性の方にはお待ちいただくための別室をご用意いたしております。受診の際に「男性の付添がいる」ことを受付までお申し出ください。受付の者が別室にご案内させていただきます。病状の説前などが必要な場合、個別に対応させていただきます。