クリニック案内

畑肛門医院の外観

当院は、日本大腸肛門病学会認定施設です。

医院名
畑肛門医院
院長
畑 嘉高
住所
〒516-0072
三重県伊勢市宮後1丁目8-7
診療科目
肛門外科
電話番号
0596-28-2260

ご相談

ご相談

疑問に思う事、何でもご相談ください。

TEL:0596-28-2260

日帰り手術対応
内痔核硬化療法
女性専門外来

あな痔について

痔瘻 -あな痔-

痔瘻 -あな痔ー

痔瘻は一般的にあな痔と呼ばれることがありますが、イボ痔・切れ痔に比べるとあまり有名ではありません。

痔瘻 -あな痔-

肛門と直腸の境-歯状線-には肛門陰窩という1mm程度のくぼみが6~11個あります。

このくぼみに細菌が入り込み、くぼみの先にある肛門腺が感染することがあります。
この感染が元で膿(うみ)が肛門・直腸周囲に広がり肛門周囲膿瘍となります。

たまった膿のたまりが自然に破れる、もしくは切開で排膿されると肛門陰窩→肛門腺の膿のたまり→排膿部という膿のトンネルが出来上がります。

この状態を痔瘻といいます。

痔瘻は保存療法で完治することはなく、手術が必要です。
放置していると、最終的には癌化するケースもあります。

原因

便秘と下痢を繰り返す

硬い便で傷ついた粘膜に、下痢の細菌が潜り込む

下痢症

肛門陰窩に細菌が潜り込む

排便時に強くいきむ

強く押し出した便が肛門陰窩に潜り込む(男性が多い理由)

先天的に肛門陰窩が深い

疲れ・ストレスによる免疫力の低下

自己免疫性疾患(クローン病など)

出産

出産時のいきみで細菌がもぐりこむ

症状

熱が出る

肛門周辺が熱い(熱感がある)

肛門周囲に痛みがある

肛門周囲が腫れている

下着、もしくは肛門周囲に膿がつく

上記の症状がすべて当てはまらなくても痔ろうの場合があります。

痔瘻の分類

裂肛の分類

肛門周囲膿瘍

肛門周囲膿瘍

特徴

  • 痔瘻の前段階
  • 膿瘍部が皮膚側なら発赤・腫脹
  • 発熱

皮下/粘膜下痔瘻

皮下/粘膜下痔瘻

特徴

  • 膿の道(瘻管)が括約筋にかからない
  • 皮下痔瘻は肛門陰窩以外からの感染

筋間痔瘻

筋間痔瘻

特徴

  • ろう管が内括約筋・外括約筋を貫いている

坐骨直腸窩痔瘻

坐骨直腸窩痔瘻

特徴

  • ろう管が外括約筋の外側を通る
  • 肛門挙筋上を通る

  • 肛門周囲膿瘍は厳密には痔瘻とは言いません。膿のたまりを開放し膿の道(瘻管)が作られれば痔瘻となります。
  • 肛門周囲膿瘍のときは痛みや発熱がありますが、排膿され痔瘻になった後は痛み・腫れ・熱が軽減する場合が多いです。
  • 皮下痔瘻は裂肛やほかの傷からの感染が原因の場合おこります。
  • 痔ろうの分類は他にも色々ありますが、基本的に筋肉を貫くか否か、どこの筋肉を通るか、ろう管が枝分かれしているかなどで複雑に分類されます。

痔瘻(あな痔)

痔瘻の治療方法

痔瘻の治療は外科的療法が基本です。保存療法は肛門周囲膿瘍の膿瘍が完成していないごく初期、もしくは膿瘍が自然に破れたあとに行います。

痔ろう根治術には開放術式・括約筋温存術式・結紮法があります。開放術式・括約筋温存術式はメスを使い切開し、ろう管(膿の通り道)を解放して治療を進める方法です。

当院では患者さまの負担や、術後の括約筋の温存を考慮し、メスを使わず結紮法で治療を行っております。

保存療法

便通の管理はどの痔にも共通する治療です。手術と並行して行っていきます。

生活習慣の見直し

  • 自分の排便習慣を把握する
  • 規則的な生活を心がける
  • ストレスの少ない生活をこころがける
  • 適度な運動をおこなう

食生活の改善

  • 規則正しい食事
  • 食物繊維を多くとる(一日20~25g)
  • 朝食をしっかり食べる
  • 乳製品を食べる
  • 刺激物・油ものの摂取は控えめにする

薬物療法

  • 整腸剤で便通を整える
  • 座薬や軟膏で患部を保護する

外科的療法

肛門周囲膿瘍

    肛門周囲膿瘍では基本的に切開排膿が必要となります。

    治療

    切開排膿

    切開排膿

    膿のたまりの周辺に局所麻酔を注射で打ち、膿瘍部の皮膚を切開して膿を出します。
    膿が出て、肛門内部~臀部(おしり)に膿の通り道となり、痔瘻と診断される状態になります。
    以後の治療は痔瘻の治療に準じます。

    痔瘻

      当院では痔瘻結紮法・シートン法による治療を行っています。

      痔瘻結紮法

        膿の通り道(ろう管)にゴムを通して強く縛ります。ゴムは1~2週間で自然に取れます。
        ゴムが取れた後、軟膏やタンポンガーゼで傷を感染から保護しながら治していきます。

        シートン法

          膿の通り道(ろう管)にゴムを通してゆるく縛ります。ゴムの他に薬液をしみこませた糸を同時に使用する場合もあります。
          ゴムは徐々にゆるくなっていくため、1~2週間ごとにゆるんだ分占めていきます。

          シートン法の治療経過

            筋間痔瘻で治療の経過を図にしました。

            手術

            手術

            膿の通り道にゴムや糸を通します。

            手術

            ゴムがろう管を矢印の方向に切り開き中の膿が排出される。
            膿が出きらない場合は水で洗浄します。
            ゆるんだ分をしめます。

            手術

            きれいになったろう管がが深部からゆっくり治ります。
            括約筋が治りながら治療するので排便障害はほとんどありません。
            ゴムはさらに、しめていきます。

            ゴムの脱落

            ゴムの脱落

            ゴムが取れたとき、表面に最後の切れた切開傷が残ります。
            軟膏、ガーゼで保護しながら治療します。
            この傷がふさがれば治療完了です。

              • 痔瘻結紮法では深部が治りきるより早くろう管が開くように強くしめるので、ゴムが取れた時の創面がシートン法より深く大きくなります。

              痔瘻結紮法・シートン法の利点・不利点

              痔瘻結紮法

              利点

              • シートン法より治療期間が短い

              不利点

              • 強く縛るため痛みが強い
              • シートンより肛門括約筋にダメージがある

                  シートン法

                  利点

                  • ゆるく縛るため痛みが少ない
                  • 肛門括約筋へのダメージが少ない

                  不利点

                  • 治療期間が長くなる
                  • 治療のための通院期間が長くなる