クリニック案内

畑肛門医院の外観

当院は、日本大腸肛門病学会認定施設です。

医院名
畑肛門医院
院長
畑 嘉高
住所
〒516-0072
三重県伊勢市宮後1丁目8-7
診療科目
肛門外科
電話番号
0596-28-2260

ご相談

ご相談

疑問に思う事、何でもご相談ください。

TEL:0596-28-2260

日帰り手術対応
内痔核硬化療法
女性専門外来

その他の病気について

肛門掻痒症

肛門掻痒症・肛門周囲炎

肛門掻痒症は、近年増えてきている病気の一つです。
肛門の周りがかゆくてかゆくて我慢できないのですが、症状が『かゆみ』ということで病気と思わない人もいます。

症状

かゆみ(体が温まるとひどくなる)

肛門周囲の皮膚炎(肌荒れ)

皮膚の肥厚

原因

痔の脱出によるかぶれ

便秘・下痢

接触性の皮膚炎やアレルギー

細菌・真菌などの感染症

刺激によるもの

近年増えてきている原因として、清潔に対する関心が高まったことがあります。

バリア機能と肛門掻痒症

a.健康な肌

健康な角質層は、自分自身で保湿機能を備えています。
細胞間皮質(主にセラミド)が細胞どうしの隙間を埋めてくっつける役目をしています。このため、角質層の水分が蒸発して外に出ていきにくい仕組みになっています。このように角質層は、外から異物が進入するのを防ぎ、体の水分が蒸散するのを防ぐバリア機能を果たしています。

健康な肌

健康な肌

b.バリア機能を低下させる要因

かゆみのある部分は汚れている、もしくは浸出液で汚れるのできれいにしよう、と今まで以上に洗浄をしてしまう方が増えています。またかゆみがなくても同様に温水トイレで肛門周囲を流し、トイレットペーパーでこすり、入浴時には石鹸をつけてごしごしと洗う。
実は、この行為が逆効果なのです。

バリア機能を低下させる要因

バリア機能を低下させる要因

c.バリア機能を失った肌

洗いすぎるとバリア機能を破壊してしまいます。石けんやお湯が皮脂層を洗い流し、こすった刺激が肌の角質を削り取ってしまいます。
その結果、細胞間脂質(セラミド)が減少し、ガサガサになった肌はかゆみを増し、さらにひどい炎症を招いてしまうのです。また、今まで以上に刺激に弱くなり、細菌・真菌の繁殖やアレルゲン・刺激の影響を受けてしまいます。

バリア機能を失った肌

バリア機能を失った肌

治療

ほとんどの場合は保存療法で治療をします。
外科的治療はよほどひどい状態にならない限りは行われません。

薬物療法

皮膚炎への軟膏

炎症に対してはステロイド含有軟膏を使用します。

排便コントロール

緩下剤、下剤を使用します。残便がある場合は浣腸の使用も考慮します。

抗ヒスタミン剤

入眠時、体が温まって無意識にかきむしることを予防します。

注射療法

患部の感覚を麻痺させてしまいます。

日常生活の注意

温水トイレを使用するときは、水流は最弱で、温度はぬるめで使用時間は短くしてください。
入浴時、肛門周囲をせっけんで洗わない
下着は綿製のもので、患部をこすらないものにしてください
刺激物を避ける(アルコール・トウガラシ・チョコレート・コーヒーなど)

便秘症

じつは便秘症には明確な定義はありません。2~3日に一回しか排便がない人でも、おなかが張ったり食欲がなくなるなどの自覚症状がなければ便秘症とは言いません。
しかし、その時の便がかたい(ねり歯みがき粉くらいちょうどいいかたさ)場合は、便秘症といっていいでしょう。
一般には3~4日以上便通がないことを便秘と言っています。
当院では、排便を出しきれずに腸に残ったままの状態も、便秘としています。

ちょっと怖い便秘症

ちょっと通じが悪いくらい平気、という方。ちょっと待ってください!
便秘になると何が起こるのか、知っていますか?
大腸がんのリスクが上がるのは有名な話ですが、それだけではないのです。
便というのは私達が食べた食事の最後の姿です。つまり、利用できるところは全部吸収されつくした後のカス。これには当然、体には要らないものです。このカス(腐敗物質)が長い間体にたまったままだと。女性の敵でもある肌荒れむくみが起きてきます。
さらに、お腹の中では1日に2~3リットルものガス(おなら)がつくられます。けれど便秘で逃げ道をふさがれたガスは、どんどんお腹の中にたまっていってしまいます。これが便秘症の時に起きるお腹の張りの原因です。さらに、そのガスで膨らんだ腸が胃を下から圧迫し、胸やけげっぷ、さらには逆流性食道炎の原因となるのです。
また便秘症の不快信号は脳に伝わり、気分がすぐれなくなりストレスを常に感じている状態になってしまします。

そしてもちろん、になる原因や悪化する要因となるのです。

便秘症のタイプ

弛緩(しかん)性便秘

    日本人に最も多いといわれているタイプです。
    食事で取る繊維質が不足していたり、ダイエットなどで食事の量自体を少なくするとおきます。
    便の量が少ないので、便を送り出す蠕動(ぜんどう)運動が弱くなっている状態です。

    直腸性便秘

      トイレに行きたい時に行けなかったりガマンし続けると、脳はその刺激を感じにくくなってしまいます。
      自覚のないまま便が貯まり、やがては固くなってしまします。

      痙攣(けいれん)性便秘

        最近話題の過敏性腸症候群(IBS)といわれるタイプです。
        大きな原因はストレスといわれています。
        腸が動きすぎて下痢になったり、また動きすぎて痙攣をおこすと便秘がおこります。
        下痢と便秘を交互にくりかえし、おなかが張った感じがあるのはこのタイプです。

        このほかにも、持病や内服している薬の副作用、もしくは大腸の腫瘍が原因の便秘もあります。
        不安のある方は、一度受診してみてください。
        自分の便秘のタイプを知るには、大腸通過時間造影検査という方法もあります。

        治療

          便秘の治療は、基本的に食生活の改善・日常生活の見直し・内服薬や浣腸の使用をおこないます。

          食生活の改善

            • 朝食をしっかりとる
            • 3食規則正しく食べる
            • 食物繊維を多くとる(1日20g~25gが目標)
            • 水分をしっかり飲む
            • 乳製品を食べる
            • 栄養補助食品などを上手に取り入れる
            当院ではイサゴールを販売しています→公式HP

            治療

            日常生活の見直し

            • トイレに行きたいときに我慢しない
            • 自分の排便習慣を把握する
            • 規則的な生活を心がける
            • 適度な運動をこころがける

            薬物療法

            • 緩下剤や下剤、整腸剤を使用
            自力で出しきれず、直腸に残便が残ってしまう場合は浣腸も考慮します。

            大腸通過時間測定造影検査 SITZMARK

              大腸通過時間測定時間検査は、レントゲンに映る特殊なリングの入ったカプセルを飲み、2日後と5日後にレントゲンを撮るだけです。
              リングの残っている数や位置で大腸のどこが弱いのか、直腸まで便がきているのかを見ることができます。もちろんリングは人体に無害で、体に吸収されることはありません。

              この検査は腸の内容物の流れを見るものです。大腸がんやほかの疾患がわかるものではありません。
              妊娠している可能性のある方は検査対象外となります。

              よくある質問

              Q:検査の間決まった食事をとるのでしょうか?

              A:いいえ。いつも通りの食生活での大腸の動きを見ます。特別な食事は必要ありません。

              Q:検査の間、薬は飲んでいいですか?

              A:下剤や緩下剤(便を軟らかくする薬)は飲まないでください。その他の薬は飲んで頂いてかまいません。

              Q:リングが出てこなくなったりしますか?

              A:リングは体に吸収されないので、時間がかかってもすべて排泄されます。

              Q:この検査で腸の病気はわかりますか?

              A:あくまで大腸での便の通過時間を検査するものです。癌による便秘や腸管マヒ、潰瘍性大腸炎などは大腸カメラ検査による診察が必要です。不安のある方は、この検査の前に一度大腸カメラ検査を受けることをお勧めしています。

              検査に興味のある方、一度話を聞いてみたいという方はスタッフまでお気軽にお尋ねください。
              検査は毎月、月末に行っております。

              便失禁

                近年、尿失禁についてはテレビで放送されていたり尿失禁専用の下着の販売などがされています。実は尿失禁と同じで、便失禁も加齢とともに起こる頻度は高くなっていきます。

                しかし、便失禁については悩んでいる方の多さに反し、まだまだ知られていることが少ないのが現状です。

                便失禁はガスが漏れるものから、便汁や粘液が漏れて知らない間に下着が汚れる程度から、軟便や固形便まで漏れてしまうものまでさまざまあります。

                症状

                便意が我慢できない

                便意に関係なく、知らない間に漏れている

                トイレに上手に行けない(認知症や運動障害がある方)

                タイプ別の原因

                  便失禁の原因はさまざまなタイプがあり、一般的に以下のように分類されます。

                  腹圧性便失禁
                  咳やくしゃみで漏れる
                  原因
                  • 加齢による肛門括約筋の衰え
                  • 事故や手術、出産による肛門括約筋の損傷
                  当院では直腸内圧検査で診断が行えます
                  切迫性便失禁
                  下痢で漏れる
                  原因
                  • 腸蠕動の過亢進(胃腸風邪や食中毒による下痢)
                  溢流性便失禁
                  便意がない
                  =いつの間にか漏れている
                  原因
                  • 便秘による便の貯留※
                  • 神経や脊椎の損傷

                  ※排便が定期的にあっても自覚のない残便があると、それが少しづつ漏れてきたりふとした拍子にもれてしまう便失禁もあります。


                  機能性便失禁
                  便意はあるがトイレに行けない
                  排泄動作が間に合わない
                  原因
                  • 認知症の場合、排泄行為全般に障害が見られる
                  • 運動障害がある

                  直腸肛門内圧検査

                  直腸肛門内圧検査

                  細い圧センサーを直腸・肛門内に入れて測定します。
                  左側を下にして寝た状態で、以下の項目を測定します。

                  1. 力を入れないときの圧
                  2. 力を入れた時の圧
                  3. 力の入る肛門の長さ

                  対象となるのは、便が漏れる人・肛門のしまりが悪い気がする人などです。
                  検査は15分程度で終わりますし、痛みもありません。
                  結果もすぐに出ますので、気になる方は医師もしくはスタッフに声をかけてください。

                  治療

                  一番大切なことは、便をきちんと出すことが大切です。
                  食事の改善や運動、薬を利用して腸内環境を整えることが必要です。

                  食生活の改善

                  • 朝食をしっかりとる
                  • 3食規則正しく食べる
                  • 食物繊維を多くとる(1日20g~25gが目標)
                  • 水分をしっかり飲む
                  • 乳製品を食べる

                  栄養補助食品などを上手に取り入れる
                  当院ではイサゴールを販売しています→公式HP

                  日常生活の見直し

                  • トイレに行きたいときに我慢しない
                  • 自分の排便習慣を把握する
                  • 規則的な生活を心がける
                  • 適度な運動をこころがける

                  骨盤底筋群を鍛える体操をする

                  直腸肛門内圧検査を利用したバイオフィードバック療法

                  自分で圧力がどのくらいかかっているのか見ながら括約筋の運動をする方法

                  便失禁は原因が色々あり、対処方法もさまざまです。
                  悩んでいる方や、原因を知りたい方は一度医師に相談されることをお勧めします。