肛門掻痒症は、近年増えてきている病気の一つです。
肛門の周りがかゆくてかゆくて我慢できないのですが、症状が『かゆみ』ということで病気と思わない人もいます。
近年増えてきている原因として、清潔に対する関心が高まったことがあります。
健康な角質層は、自分自身で保湿機能を備えています。
細胞間皮質(主にセラミド)が細胞どうしの隙間を埋めてくっつける役目をしています。このため、角質層の水分が蒸発して外に出ていきにくい仕組みになっています。このように角質層は、外から異物が進入するのを防ぎ、体の水分が蒸散するのを防ぐバリア機能を果たしています。
かゆみのある部分は汚れている、もしくは浸出液で汚れるのできれいにしよう、と今まで以上に洗浄をしてしまう方が増えています。またかゆみがなくても同様に温水トイレで肛門周囲を流し、トイレットペーパーでこすり、入浴時には石鹸をつけてごしごしと洗う。
実は、この行為が逆効果なのです。
洗いすぎるとバリア機能を破壊してしまいます。石けんやお湯が皮脂層を洗い流し、こすった刺激が肌の角質を削り取ってしまいます。
その結果、細胞間脂質(セラミド)が減少し、ガサガサになった肌はかゆみを増し、さらにひどい炎症を招いてしまうのです。また、今まで以上に刺激に弱くなり、細菌・真菌の繁殖やアレルゲン・刺激の影響を受けてしまいます。
ほとんどの場合は保存療法で治療をします。
外科的治療はよほどひどい状態にならない限りは行われません。
炎症に対してはステロイド含有軟膏を使用します。
緩下剤、下剤を使用します。残便がある場合は浣腸の使用も考慮します。
入眠時、体が温まって無意識にかきむしることを予防します。
患部の感覚を麻痺させてしまいます。
温水トイレを使用するときは、水流は最弱で、温度はぬるめで使用時間は短くしてください。
入浴時、肛門周囲をせっけんで洗わない
下着は綿製のもので、患部をこすらないものにしてください
刺激物を避ける(アルコール・トウガラシ・チョコレート・コーヒーなど)
じつは便秘症には明確な定義はありません。2~3日に一回しか排便がない人でも、おなかが張ったり食欲がなくなるなどの自覚症状がなければ便秘症とは言いません。
しかし、その時の便がかたい(ねり歯みがき粉くらいちょうどいいかたさ)場合は、便秘症といっていいでしょう。
一般には3~4日以上便通がないことを便秘と言っています。
当院では、排便を出しきれずに腸に残ったままの状態も、便秘としています。
ちょっと通じが悪いくらい平気、という方。ちょっと待ってください!
便秘になると何が起こるのか、知っていますか?
大腸がんのリスクが上がるのは有名な話ですが、それだけではないのです。
便というのは私達が食べた食事の最後の姿です。つまり、利用できるところは全部吸収されつくした後のカス。これには当然、体には要らないものです。このカス(腐敗物質)が長い間体にたまったままだと。女性の敵でもある肌荒れやむくみが起きてきます。
さらに、お腹の中では1日に2~3リットルものガス(おなら)がつくられます。けれど便秘で逃げ道をふさがれたガスは、どんどんお腹の中にたまっていってしまいます。これが便秘症の時に起きるお腹の張りの原因です。さらに、そのガスで膨らんだ腸が胃を下から圧迫し、胸やけやげっぷ、さらには逆流性食道炎の原因となるのです。
また便秘症の不快信号は脳に伝わり、気分がすぐれなくなりストレスを常に感じている状態になってしまします。
そしてもちろん、痔になる原因や悪化する要因となるのです。
日本人に最も多いといわれているタイプです。
食事で取る繊維質が不足していたり、ダイエットなどで食事の量自体を少なくするとおきます。
便の量が少ないので、便を送り出す蠕動(ぜんどう)運動が弱くなっている状態です。
トイレに行きたい時に行けなかったりガマンし続けると、脳はその刺激を感じにくくなってしまいます。
自覚のないまま便が貯まり、やがては固くなってしまします。
最近話題の過敏性腸症候群(IBS)といわれるタイプです。
大きな原因はストレスといわれています。
腸が動きすぎて下痢になったり、また動きすぎて痙攣をおこすと便秘がおこります。
下痢と便秘を交互にくりかえし、おなかが張った感じがあるのはこのタイプです。
このほかにも、持病や内服している薬の副作用、もしくは大腸の腫瘍が原因の便秘もあります。
不安のある方は、一度受診してみてください。
自分の便秘のタイプを知るには、大腸通過時間造影検査という方法もあります。
便秘の治療は、基本的に食生活の改善・日常生活の見直し・内服薬や浣腸の使用をおこないます。
大腸通過時間測定時間検査は、レントゲンに映る特殊なリングの入ったカプセルを飲み、2日後と5日後にレントゲンを撮るだけです。
リングの残っている数や位置で大腸のどこが弱いのか、直腸まで便がきているのかを見ることができます。もちろんリングは人体に無害で、体に吸収されることはありません。
この検査は腸の内容物の流れを見るものです。大腸がんやほかの疾患がわかるものではありません。
妊娠している可能性のある方は検査対象外となります。
検査に興味のある方、一度話を聞いてみたいという方はスタッフまでお気軽にお尋ねください。
検査は毎月、月末に行っております。
近年、尿失禁についてはテレビで放送されていたり尿失禁専用の下着の販売などがされています。実は尿失禁と同じで、便失禁も加齢とともに起こる頻度は高くなっていきます。
しかし、便失禁については悩んでいる方の多さに反し、まだまだ知られていることが少ないのが現状です。
便失禁はガスが漏れるものから、便汁や粘液が漏れて知らない間に下着が汚れる程度から、軟便や固形便まで漏れてしまうものまでさまざまあります。
便失禁の原因はさまざまなタイプがあり、一般的に以下のように分類されます。
腹圧性便失禁 |
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咳やくしゃみで漏れる |
原因 |
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切迫性便失禁 |
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下痢で漏れる |
原因 |
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溢流性便失禁 |
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便意がない =いつの間にか漏れている |
原因 |
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※排便が定期的にあっても自覚のない残便があると、それが少しづつ漏れてきたりふとした拍子にもれてしまう便失禁もあります。
機能性便失禁 |
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便意はあるがトイレに行けない 排泄動作が間に合わない |
原因 |
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細い圧センサーを直腸・肛門内に入れて測定します。
左側を下にして寝た状態で、以下の項目を測定します。
対象となるのは、便が漏れる人・肛門のしまりが悪い気がする人などです。
検査は15分程度で終わりますし、痛みもありません。
結果もすぐに出ますので、気になる方は医師もしくはスタッフに声をかけてください。
一番大切なことは、便をきちんと出すことが大切です。
食事の改善や運動、薬を利用して腸内環境を整えることが必要です。
栄養補助食品などを上手に取り入れる
当院ではイサゴールを販売しています→公式HP